ハイコンセプトとは、右脳的発想で新しいことを考え出すということ、ハイタッチとは人間味ということ。
ハイコンセプトとは?
ハイコンセプトとは、芸術的、感性的な美を創造する能力、パターンやチャンスを見出す能力、相手を引き込む物語を語れる能力、関連性のないアイデアを組み合わせてブレイクスルーを生み出す能力などのことです。
ハイコンセプトという言葉は頻繁にハイタッチと同じ文脈で使われます。これは、ハイコンセプト、ハイタッチという考え方自体がダニエル・ピンク氏のハイコンセプトという本の中で語られているためです。
ハイコンセプトは右脳的であるとされています。つまり、相手に対して理屈でどうこうするのではなく、いかに直観、直感的にいいね、と言ってもらえるかどうかがハイコンセプトのベースになります。
芸術的なものや感性的なものに対して人間は右脳で判断し、後から多少の理屈的な左脳を使っていいね、と言います。パターンやチャンスを見出す能力も右脳がその役割を担っています。
物語に感動したり涙したりするのも理屈ではなく、全体的に鑑みた結果その物語が心を打つからであり、脳で分けてしまえば右脳の反応によるものです。ブレイクスルーなどは正に右脳的です。論理的思考は大切ですが、論理的に解決できない問題が、点と点がつながることによりブレイクスルーするというのは、右脳が全体的な事象をイメージとして保っているおかげです。
また、これからの時代ハイコンセプトでない商品やサービス、仕事はどんどんと世界の安い人件費の国へと流れていってしまいます。そのため、高度成長した先進国では、こうしたハイコンセプト、右脳的発想が重要度の高いものになってきています。そうでなければ生き残れない時代に突入しているからです。
ハイコンセプトとは、右脳的発想で新しいことを考え出すということです。そして、既に突入したこれからの時代に必要不可欠なコンセプトです。
ハイタッチとは?
ハイタッチとは、簡単に言うと、人間味ということです。具体的には、人と共感する能力、心の機微を感じ取れる能力、自分へのやりがいを持ち、人に貢献してあげられる能力、そして、何気ない日常生活の中に目的や意義を発見できる能力などのことです。
ハイタッチもまた、右脳的な能力の一つです。人と共感をしたり、共感を得てもらうためには理屈ではなくストーリーが必要です。また、全体的にその人を見て直観で人は共感するかどうかを判断します。 人の心の機微を感じ取ることでハイタッチになれます。
ハイタッチな人というのは、人の心の機微に敏感で、人に対しての思いやりがあり、さらに自分でも仕事や人生の中で意義や目的を見出します。そうした人間味が現代のビジネスには必要になります。
なぜなら、人間でなくても出来ることが増えてきて、ツールや自動サービス、AIに出来てしまうことは、大抵そちらの方が安く、ハイタッチな価値がなければテクノロジーに負けて仕事がなくなってしまうからです。
ハイタッチ感を磨くには人間を磨く必要があります。これは言い換えれば右脳の能力を高めるということにもなりますが、もっと単純に考えれば、人間味を深める、人間性を高める、という意識をもつことが、ハイタッチな人やサービスになるということにつながります。
ハイタッチであることは、関わる人を幸せにし、ツールや自動サービスでは成しえない深い共感を生み出します。そうした絆を生み出すのがハイタッチです。ツールや自動サービスには人間的共感は希薄であるため、物語を文脈で語り、共感されるよう、ハイタッチであることが今既に始まっている時代に必要な考え方です。
ハイコンセプト、ハイタッチに必要とされる六つの感性
ハイコンセプト、ハイタッチには六つの感性が必要とされます。
デザイン、物語、調和、共感、ユーモア、意義の六つです。全てを満たす必要はなく、これらの内どれかが、商品なりサービスなりにあるのであればそれはハイコンセプト、あるいはハイタッチであるということになります。