論理的思考(ロジカルシンキング)での問題解決法、特徴、ポイント、スキルアップのコツなどを紹介します。
論理的思考(ロジカルシンキング)とは?
論理的思考(ロジカルシンキング)とは論理的に思考する思考法です。こうした問題解決思考で課題を解決するスキルは仕事、ビジネスは元より人生の様々な場面で重要なスキルの一つになります。
なぜなら、問題解決とはただ目の前にある問題を解決するだけではなく、課題を設定するなどして自分を高めるスキルでもあるからです。その基礎となるのが論理的思考(ロジカルシンキング)です。
論理的思考(ロジカルシンキング)は、英語でのビジネスや仕事、英語そのものにおいても、コミュニケーションが円滑にいくための必要条件ともなります。
問題解決のための論理思考(ロジカルシンキング)
問題を解決する時に多くの人はその問題だけにフォーカスしてしまい、その背後にある本当の課題や問題の生まれた文脈を理解しようとしません。そのため、付け焼刃的な問題解決になってしまい、同じような問題がまた起こることになります。
原因を本質的に解決するためには、まず論理的に思考し、現状の問題がどのように構成されているのかをロジカルに知る必要があります。その上であらゆる選択肢をその状況における制約の中で考え出します。
小さな問題と大きな問題の解決方法の違い
小さな問題解決の場合
小さな問題解決の場合には問題の原因を適切に読み取ることが出来れば簡単です。二度同じ問題が起きないようにどうしたらよいかを考えた上で、今そこにある問題を解決すれば良いからです。
大きな問題解決の場合
大きな問題解決の場合には、問題を問題としてだけ捉えるのではなく、自らに課された課題だと捉えると、その課題をクリアして、ワンランク上のステージへ自分を引き上げ、問題を解決へと導くことが出来ます。
問題解決思考を行う上では、問題を解決するにあたっての論理(ロジック)が詭弁にならないように注意が必要です。詭弁とは論拠に誤謬やアンフェアである場合に発見できます。つまり、自分にだけ都合の良い解釈が存在する場合、その論理は破綻したものだと考えられます。
そうならないためには、事実を事実として受け止め、現実を現実として受け止め、取り得る最適な道が何なのかを多面的に考えていきます。その上で、少なくとも論理的に矛盾が生じないように一度整理をする必要があります。
問題の大小による解決方法の違い
問題の大小によって解決方法、思考方法が異なります。違いをまとめると次の通りです。
論理的思考力、問題解決スキルを磨くには?
論理的思考力、問題解決スキルは、単純に目の前の問題を一度きりだと考えて解決しようとせずに、自らに課された一つの課題としてどうすれば問題を解決出来るのか、どうすればその課題を解決することで問題を経た上でステージの引き上げが出来ないかを考えます。
その結果、論理的思考力(ロジカルシンキングスキル)、問題解決スキルが磨かれていくと、自分の仕事やビジネスをステージアップさせることが出来ます。個人などの場合には人生のステージを高めることも出来ます。
問題解決思考のステップは、現状把握、原因分析、解決策の発想が基本ですが、最後に、解決策と原因との因果関係の精査があります。つまり、その解決策をとることで本当に原因が解決され、現状を変えることが出来るのかをチェックするということです。これを丁寧かつ大抵の場合迅速に行えるようになると、問題解決思考は随時磨かれていくことになります。
論理的思考(ロジカルシンキング)のポイント
論理的であるためには、論理を支える論拠が必要であり、論拠となるのは現象ではなく事実やデータである必要があります。その上で、論拠が結論を支えるように導かれるのであれば、それは論理的思考を行った結論と言えます。
論理的思考は、図解にすると論拠が結論を支える形になるため、ピラミッドストラクチャーとも関係が深いものです。ただし、とても小さな結論を導くために図解を作る必要はなく、論拠が結論を支えているかどうかがポイントになります。
論理的思考法には帰納法と演繹法がある
帰納法とは、ソクラテスは死んだ、 プラトンも死んだ、彼らは共に人間だ。 したがって、人間は全員いつか死ぬ。という様にいくつかの事実から結論を導きだす思考法です。これは統計でよく使われるものですが、論拠となる事実の量によって結論の強さが変わってきます。
演繹法とは、ソクラテスは人間だ、人間はいつか必ず死ぬ、したがってソクラテスはいつ必ず死ぬ、という俗にいう三段論法です。これが論理的思考(ロジカルシンキング)ではよく使われ、また、慣れないと難しいとされる考え方です。
一つ目の論拠と二つ目の論拠に直接の関係はありませんが、結論を支える論拠となっています。
演繹法も帰納法も論拠が二つや三つである制約はないので必要な数だけ事実としての論拠を並べる必要があります。
論理的思考(ロジカルシンキング)3つの特徴
論理的思考には論理的に考えることと、論理的にそれを伝えることが含まれます。例えばその時の直感的な判断による結論は、フィーリングでしか物事を考えていません。そのため、問題が解決されないケースが多くなってしまいます。
また、何も考えずに相手とコミュニケーションを取ればおしゃべりは出来ても目的とする主張を伝えることは難しくなってしまいます。
一方、論理的思考力というスキルがきちんと備わっていれば、考え自体が明快になります。また、相手に対しても分かりやすく主張を伝えることが出来ます。分かりやすく伝えられるため説得力が生まれます。
明快で納得のいく論理に基づいた結論はその結論に同意するしないは別として、単なる思いつきと比べて強い発言になるからです。
また、意外にも論理的に思考していくことで、そのプロセスにおいてブレイクスルーが発生することがあるのも論理的思考の面白いところです。
論理的思考はビジネス英語スキルをアップさせる
論理思考を用いるとビジネスでの英語スキルは上達します。といっても、英語がペラペラになるというわけではありません。しかし、英語での仕事やビジネス、英語によるメッセージなどでは、必要なビジネス英語のスキルが論理思考をしていない場合と比べると格段に向上します。
ビジネス英語の論理性と論理思考の共通点
英語はそもそも論理的な言語だとよく言われます。センテンスをとっても、ライティングパラグラフでも結論を先にするのが通常は当たり前です。また結論を先にするためにはその後に論拠が必要になります。
一方、論理思考とは、論理的に物事を考え結論を導き出す思考スキルです。したがって、結論を言うために、論拠が必要とされます。○○だから○○である、といった具合です。
論理的思考で考え、それをビジネス英語として伝える
論理思考で考え、それを英語として相手に伝えるのに、とても単純な方法があります。それは、伝えたい事柄を123(ワンツースリー)で組み立てることです。1、○○。2、□□。3、よって△△といった具合で、123のステップに組み立てた文章は、自ずと論理思考で考えられたメッセージになります。
より上手に伝えるためには、結論を先にサマリーとして伝えます。 「○○をして下さい―あるいは、○○をしたい―。なぜなら……123」といった具合です。理由が必ずしも三つある必要はありませんが、論拠と結論を明確にするというのは論理思考をする思考訓練にもなります。
ビジネス英語は英語力よりも論理思考力で磨かれる
仮に英語力が乏しくとも、論理思考力が磨かれそれを英語で伝える場合、ビジネス英語としての必要最低限の英語スキルが身についていきます。また、そもそも外国人とのビジネスや仕事では、価値観が違うケースがありますので、論理的に説明したりコミュニケーションを取らないと会話が成立しないこともあります。でもこれを知っていて論理思考力が磨かれれば、ビジネスコミュニケーション力も上がります。
論理思考は英語スキルに通じます。外国人との仕事やビジネス、取引相手との対話を円滑にします。また、論理的な内容の違いはビジネス英語としてメッセージそのものに表れますので、相手に伝わりやすいものになります。
論理的思考(ロジカルシンキング)スキルアップのコツ
論理的思考力は磨くことが出来ます。もちろん一朝一夕にはいきませんが、まずは物事を考える時に論理的に考える癖をつけることです。論理的に考えるとは、論拠と結論をセットで考えるということです。結論があるなら論拠もあり、論拠があれば結論もあります。その筋道を立てながら思考するのが論理的に思考していくということです。
そのようにして日々鍛錬していくことで論理的思考力は磨かれます。書籍等でフレームワークを勉強するのもいいでしょうし、それ以外にもやり方はあります。ただ、共通しているのは論理的思考力は鍛錬によって身に付くため、知っただけでは磨かれないということです。日々、自己トレーニングするしかありませんので、論理的に考える癖をつけることがまず第一歩となります。